創作遊びをやっている亀屋たむの動いた日

十四行詩


【概要】
「わたし」の13の変遷とその記録を、生活、自己、幻想をテーマに綴った14行詩。

「不在」から「実感」へ――

<収録作品タイトル一覧> ※青色太字が先行公開分です
祈り/帰郷/エビ/蕪/探されない鳥深海ラジオ/
マンドラゴラ/雨待ち/
花束/窓辺/レコード喫茶/
朝/春の前





++先行公開1

祈り


始まっていた朝焼けの
震えない硝子に地平を引いた
まなざしだけが残り
あなたがまた歩こうとする 

瞑目する窓の奥にこそ
明けに消えている声がある
誰もが輝きを追ってしまう
どちらを向いていようとも

祈りの先に神はいらない
朝よ ただ光るがいい
やがて眠り着くよう徐(おもむろ)に

信じているのは始まりの端
あなたがひたすらに立ち方を知っている
ここより続く地の透明な空の下



++先行公開2

探されない鳥


眠らない月の下へ行く
ちょうどデタラメを歌いながら
夜を飛びたくて飛んだのだ
幾億の瞬きを呑む空へ

この世はすべて彼の庭
内も外もない
熱砂や街や草原や
鳥達が集う水辺だって

名乗るなら、探されない鳥
ただの鳥になり損なって
誰かを待つのはもうやめた

羽ばたきの強さを空が知る
嘴は心の浮く先へ
往く青を地が見つめている

【書籍情報】
A6版/30頁/頒布価格:100円/オンデマンド製本
2017年4月1日発行